専業主夫、ポン吉の徒然なるままに

20年近く主夫をしてきたポン吉の備忘録のようなブログ。

ストックホルム症候群は特別なことではない

ストックホルム症候群

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1973年にスウェーデンのストックホルムで起きた銀行強盗で、犯人は銀行にいた多数の人を人質にして立てこもった。

突然強盗事件に巻き込まれた人質たちは死の恐怖におびえ、犯人の許可がなければ何も行動することはできない状況に置かれた。

しかし、食べ物やトイレの許可などを犯人からもらったりするといつしか人質たちは犯人に対して感謝したり好意を持ったりし始める。

おまけに警察が手を出さなければ犯人は人質に危害を加えない状況下であるので、人質たちは警察さえ来なければ安全だと勘違いし、しまいには警察を敵対視してしまう。

そのような現象をストックホルム症候群と言うようだ。

しかし、そういった現象は程度の差はあるにせよ、日常生活でも見ることができる。

見るからにアウトレイジ 

ポン吉がまだサラリーマンだった頃、取引のある会社に見るからに一般人ではなそうな容姿のおじさんがいた。

そのおじさんがポン吉の会社に来る時は、付き人のような若い部下を従えていた。

そのおじさんは、昔で言えば「仁義なき戦い」、今だと「アウトレイジ」に出てきそうな容姿だった。

ポン吉同様そのおじさんもサラリーマンのはずなのに、いつもブラックスーツを着て、長渕剛さんがかけているような黒くて細長いサングラスをしていた。体格も見た目もプロレスラーの蝶野正洋さんに似ていた。

ポン吉はそのおじさんとは直接仕事をすることはなかったので、怖い思いをすることはないので安心していた。

が、しかし

あろうことか担当替えでポン吉がそのおじさんと仕事することになってしまった。

いつものようにおじさんはサラリーマンとは思えない異様なオーラに包まれながら、部下を従えてやって来た。

ポン吉はそれまで面と向かっておじさんを見たことがなかったので、とても緊張していた。

おじさんが胸のポケットに手をやって、

「すみません」とポン吉に言った時には、拳銃が出てくるのではと思ってしまうほど怖かった。

実際には煙草を吸っても良いか聞いてきただけだった。

煙草を吸う仕草も、ヤクザ映画のワンシーンのようだった。

おまけにその時に気づいたのだが、おじさんの片方の手には小指がなかった。

これは決定的だった。

ポン吉はこれからこのおじさんと仕事をしていくことになる自分が気の毒だった。

もし何か失敗したら、とかいろいろと恐ろしいことが頭によぎった。

マイナスからプラスに

しかし、おじさんは仁義なき戦いでもアウトレイジでもなかった。

むしろ吉本新喜劇と言ってもいいくらいだった。

話してみると、おじさんはポン吉と年も近くて同じ20代だった。

それまでの恐怖心がハンパなかったせいもあって、彼が少し冗談を言っただけでもポン吉には異常におもしろく感じられた。

だから彼のイメージが仁義なき戦いやアウトレイジから一気に吉本新喜劇に変ったのかもしれない。

彼が帰り際にポン吉にお辞儀しながら

「今後ともよろしくお願いします」と言った時には、ポン吉はヤクザの親分にでもなったかのような気分だった。

現実には社交辞令的な挨拶にすぎないのに、それ以上の厚遇を受けたような気がした。

怖かったおじさんはポン吉には親しくそして優しい。この関係を乱す者は敵だ。

おそらくこれはストックホルム症候群の兆候ではないかと思う。

見た目と中身のギャップが凄すぎて、なおかつ彼はポン吉だけでなく誰にでも優しかった。

その出会いから30年ほどが経った。

彼は今、本当におじさんになっていた。まあポン吉もそうだけど。

そして彼は会社の中で取締役に出世していた。見た目は若い頃以上にアウトレイジだ。

最初にマイナスイメージから始まった印象はあとはプラスにしかならないのかも。

ストックホルム症候群は我々の日常でもよくあることのように思う。

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