専業主夫、ポン吉の徒然なるままに

20年近く主夫をしてきたポン吉の備忘録のようなブログ。

新幹線の食堂車から戻ると爆弾騒ぎ

ポン吉がまだ若い会社員だった頃、

出張で新幹線をよく利用していた。

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出張からの帰り、ポン吉は時間通りに予約した新幹線に乗ることができた。

ポン吉の上司や関係会社の人は、ポン吉より1時間ほど前の便を予約していた。

時間も夕方だったので、その日は会社へ戻らずに自宅へ直帰することになっていた。

ポン吉が予約していた座席を探していると、その日は週末ということもあってかほぼ満席状態だった。

3人掛けの真ん中の席がポン吉の座席だった。

新幹線の食堂車は便利だった

ポン吉が座席に座ろうとした時だった、

ポン吉のいる車両の中にポン吉の上司がキョロキョロしながら入ってきた。

ポン吉が声をかけると、

上司は新幹線の発車時刻まで少し時間があったので駅前で関係会社の人と1杯飲んでいたようだった。

1杯が2杯になり、そして3杯へと、気がつくと予約した新幹線を乗り過ごしていたらしい。

ポン吉の上司はポン吉の新幹線の発車時刻を覚えていたので、それに飛び乗った。

座席は満席なのは承知していたので、すぐに食堂車に乗り込んでいた。

関係会社の人は、すでに食堂車にいるらしい。

上司はポン吉を探しに指定席車両をキョロキョロしていたようだ。

3人で一緒に食事しようということになったので、ポン吉は鞄を座席に置いて食堂車に向かった。

ちなみに当時ポン吉が使っていた鞄はバブルの匂いがプンプンするゼロハリバートンという頑丈で重いアタッシュケースだった。

食堂車につくと、関係会社の人は、待ってましたとポン吉にグラスを渡しビールをお酌してくれた。

割高な食堂車の料理をたいらげても、座席のない上司と関係会社の人は食堂車を出る訳にはいかなった。

そのため、料理をたいらげては新しく注文することを繰り返しながら、食堂車に居続けた。

もちろんお酒も飲み続けていたので、時間が経つのも速かった。

気がつくと、2時間ほどが過ぎていて降りる駅が近くなったので、ポン吉は少し酔いが回った状態で食堂車を後にした。

爆弾騒ぎ

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ポン吉の座席がある車両に入ると、

車掌と数人の乗客がポン吉の座席の周りで何やら話をしていた。

座席に近づいていくと、車掌に話していた乗客がポン吉に気づいた。

彼は今まで話をしていた声よりも大きな声で、

「あっ! あの人!あの人です!」

とポン吉を指差しながら言ってきた。

この瞬間、ポン吉のいた車両の乗客たちの視線はポン吉に釘付けになった。

ポン吉がほろ酔い気分で自分の座席まで行くと、

車掌がアタッシュケースを指差して、

「これは、あなたのものですか?」

と厳しい口調で聞いてきた。

ポン吉は何かの容疑者として事情聴取されているような感じだった。

車掌の話によると、

座席に1度も座らずに鍵がかけれる重厚なアタッシュケースを置いていった男がいた。

その男は2時間しても座席に戻ってくることはなかった。

アタッシュケースの置かれた座席の両隣の乗客が不安になり、アタッシュケースを置いて行った男の知り合いかお互いに確認し合ったが、ともに無関係だった。

そこでその乗客2人は、最悪の事態を予測した。

これはポン吉の考えだが、その乗客2人は1987年の大韓航空機爆破事件が脳裏によぎったに違いない。

2人は爆弾が仕掛けられているかもしれないと思っていた。

すぐに車掌を呼び、状況を説明した。

すると車掌はアタッシュケースに決して触らないように2人に告げ、

次に取るべき行動を思案していたところに、ポン吉がほろ酔い気分でやってきた、

ということだった。

ポン吉は一気に酔いがさめた。

あわてて車掌に指定席特急券と乗車券を見せて、車掌と両隣の乗客に謝罪した。

車掌はあともう少しポン吉の現れるのが遅かったら、警察に通報し新幹線を次の駅で停車させて乗客全員を降ろすことになっていたかもしれないと、ポン吉に注意してくれた。

誤解をすべて解くために、ポン吉がアタッシュケースを手に取ろうとすると、車掌とその二人は一瞬ビクッとして1歩あとずさった。

そしてアタッシュケースを開けようとすると、

車掌が「そう~っと、ゆっくりお願いします。」と言ってきた。

ポン吉は自分の鞄なのに、まるで爆弾処理班のようにゆっくりと鍵を解錠しアタッシュケースを開けた。

中には手帳と読みかけの本や週刊誌ぐらいしか入っておらず、車掌も納得してくれた。

結局

騒ぎはすぐに収束して、新幹線も無事に駅に到着した。

ポン吉は新幹線から降りたのと同時に、緊迫した状況から解放されたのと大事にならなくて良かったという安堵の思いで、しばらく呆然としていた。

すると、

「よしっ! もう一軒行こう!」

大きな声で、さっきまで食堂車にいた上司と関係会社の人がやってきた。

その二人を見て、爆弾事件容疑者から普通のサラリーマンに戻れた気がした。

これがもし現代だったら、もっとたいへんな騒ぎになっていただろう。

もしかしたら、テレビのニュースに取り上げられていたかもしれない。

とにかく公共の場で私物を置きっ放しにしてはいけないと、肝に銘じた出来事だった。

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