専業主夫、ポン吉の徒然なるままに

20年近く主夫をしてきたポン吉の備忘録のようなブログ。

暗闇フィットネスが流行ってる一方で、見られたいランウェイおじさん

暗闇フィットネス

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大音量の音楽が流れ、薄暗いフロアの天井にはミラーボールがあって色とりどりの光線が飛び交っている。

まるで、クラブ(ポン吉の世代だとディスコ)のような空間で運動をする暗闇フィットネスというものが流行っている。

音楽に合わせて会場を盛り上げるDJのようにインストラクターがレッスンを指導する。

暗闇のフィットネススタジオはアーティストのほうを向いて観客が飛び跳ねているライブハウスのようだ。

見えないから良い

暗闇フィットネスの7割は女性客らしい。

インストラクターの指導通りにうまくできなかったり、体形に自信がなかったりで従来のフィットネスクラブに二の足を踏んでいた人たちにとって、暗闇フィットネスは人目を気にせずマイペースで頑張れるというところが支持されている。

そのため暗闇フィットネスには従来のスポーツジムにあるような全身を映す大きな鏡は設置されていない。

まあ、暗闇だから鏡があっても見えないから関係ないだろう。

しかし、従来のスポーツジムに30年ほど通っているポン吉の友人は暗闇フィットネスには全く興味がない。

見せたくてしかたがない

ポン吉の友人は若い頃からトレーニングを続けているので50歳を過ぎても筋骨隆々だ。

ただし身長は高くないので、見た目は「ヤッターマン」というアニメに出てきた「ドロンジョ様」の手下で怪力の持ち主「トンズラー」に似ている。

トンズラー似の彼はスポーツジムに通えない時でもトレーニングは欠かさない。

ポン吉と数名の仲間で温泉に行った時、脱衣場の隅っこで他のお客さんに迷惑にならないように腕立て伏せやスクワットをしていた。

ただ彼は、いやトンズラーは、脱衣場で服を脱いで裸になってからからトレーニングをする。

一通りのメニューをこなしてもなかなか風呂場へは行かない。

脱衣場の中を裸でゆっくりと歩きまわっている。

よく見るとトンズラーは脱衣場の大きな鏡を横目で確認し、自分の裸を見ながら歩いている。

そして納得がいったら、脱衣場の奥から浴室の入り口へと向かっていく。

その姿は、ファッションショーのランウェイを颯爽と歩くモデルさんを彷彿とさせる。

ただし彼はトンズラーであってファッションモデルではない、しかも素っ裸だ。

だから一緒にいるポン吉たちも対応に困る。

トンズラーを一人にすると怪しい人に思われるので、彼の一連のデモンストレーションが完了するまでポン吉たちはトンズラーを見守っている。

ただそれは見ようによっては、ランウェイを闊歩するトンズラーに声援をおくる観客のおじさんたちだ。

そうだとすれば、ポン吉も変なおじさんの仲間入りだ。

トンズラーは風呂場でも湯船につかることはほとんどない。

でも湯船のまわりをゆっくりと歩くのは好きだ。

ポン吉が思うに、トンズラーは常に鍛えた自分の体を人目にさらしておきたいのだろう。

ポン吉たちがひと風呂浴びて脱衣場に向かうとトンズラーもついてくる。

しかし、ポン吉たちが服を着ても、トンズラーはなかなか服を着ようとしない。

入浴前と同じように脱衣場をランウェイにみたてて裸で歩き回るのだ。

一通り他のお客さんの注目を浴びたら満足したのか、

トンズラーは、「あー!いい湯だった!」と言って服を着始める。

でも、お前は湯船に入ってないからな! トンズラー

結局

他人の目を気にしたり自信のなかった体形が、トレーニングによって美しくなっていくと、今度はその成果である自分の体を人に見せたくなるのかもしれない。

だとすれば、トレーニングジムに二の足を踏んでいた初心者が向かう次のステップは暗闇ではない。

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「暗闇フィットネス」から「みてみてフィットネス」にステップアップするのだろう。

みてみてフィットネスにはきっとランウェイが設置されているに違いない。

次は、暗闇からランウェイだ!

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30年ぶりの電話、冷凍人間か宇宙人にさらわれたか、それともオレオレ詐欺か?

ポン吉は高校卒業後に親元を離れて暮らしている。

もう30年以上になる。

田舎から都会へ

1年に数回ほど帰省はしているが、実家周辺の環境はここ30年で激変しているので、ポン吉の子供の頃の思い出を彷彿とさせるようなものはほとんどなくなっている。

昔は道路も舗装されておらず、トイレも水洗ではなかった。

当然のことながら夜は真っ暗だった。

あたりは田んぼばっかりで、夏に窓を開けて寝ていると蛙の大合唱がうるさかった。

ただ、ひとたび開発が始まるとその勢いは凄まじかった。

ポン吉の実家から徒歩圏内に地下鉄が開通し、道路も整備された。

実家周辺の田んぼや畑はすべて造成されて、住宅とそこに住む人たちが集う公園に生まれ変わった。

すると駅前に大型ショッピングモールができ、休日は大勢の人たちで賑わうようになった。

ポン吉の子供の頃は、人よりも蛙のほうが多くて、蛙の住処に人が住まわせてもらっているようだったが、今では蛙を見かけることもなくなった。

あの蛙の集団はどこに行ったのだろうか、もしかすると公園の片隅で人々の声をうるさいと思いながら細々と暮らしているのかもしれない。

そんな実家にポン吉が帰省した際、両親が出かけるので留守番することになった。

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30年ぶりの電話

しばらくすると実家の電話の呼び出し音が鳴ったので、留守番として電話に出た。

ポン吉がでると相手は男性だった。

ポン吉「はい。」

相手「もしもし〇〇さんのお宅ですか?」

ポン吉「はい。」

この時、ポン吉は何かのセールスだと思った。

しかし次の瞬間、相手は非常に馴れ馴れしく話しかけてきた。

相手「俺、俺、△△だよ!」

△△という名には覚えがあった。

中学の同級生でポン吉は△△とは比較的仲が良かった。

一緒に下校することもあった。

ただし中学を卒業してからはほとんど会っていないので、声を聴くのも30年ぶりくらいになる。

久しぶり感ゼロ

彼の話しかたは、さっきまでポン吉と一緒に学校から帰っていて、家に着いてすぐに電話してきた中学生のようだった。

「久しぶり」とか「懐かしい」とか「元気?」とか、30年ぶりの会話なら普通は出てきそうな言葉が全くなかった。

言葉使いもアラフィフのおじさんではなく中学生のような粗野な感じだった。

まるで中学を卒業してすぐに冷凍保存されて30年以上も眠っていた人が、さっき解凍されて眠りから覚めたばかりかのようだった。

中学時代の彼の成績はひどかった。とくに物事の理解力が弱かった。

良い意味でノー天気で陽気なやつだったが、悪く言うと空気が読めないぶしつけなやつだった。

しかし彼の年のあいたお兄さんは、ノーベル賞受賞者を輩出させたことがある国立大学の学生で非常に優秀だというのは耳にしていた。

そのお兄さんが彼の行く末を案じて、冷凍人間として眠らせていたのでは。

そして大学を定年退職か何かで辞めることになる前に、弟を眠りから覚ましたのでは。

本当にそんなことを感じさせるほど、彼のポン吉に対する話しぶりは、久しぶり感ゼロだった。

まるで浦島太郎

彼は「明日、どうする?」とポン吉に聞いてきた。

それは、いつも一緒にいる遊び友達に「あしたは何して遊ぼう?」と言ってるような感じだった。

ポン吉は30年ぶりに彼と会話していることや、ポン吉がすでに実家に住んでいないことなどを話した。

まるで浦島太郎に話すかのように、何十年も歳月が経ってしまっていることを告げた。

彼は中学時代からそうだったように、ポン吉の話をあまり理解していないようだった。

彼とは中学を卒業してすぐの頃、1度だけ会っている。

ポン吉が電車から降りる時に偶然彼がその電車に乗ろうとして鉢合わせになった、それが最後だった。

その時は電車が着いてから出発するまでのわずかな時間しかなかったので、そんなに話せなかった。

ポン吉が「どこ行くの?」と聞くと、

彼が「宇宙人に会いに行く!」と笑顔で言ってきた。

それが彼との最後の会話だった。

あれから30年以上が経っている。

彼は本当に宇宙人に会って、UFOにさらわれて囚われの身となっていたのかもしれない。

宇宙人からUFOでの記憶をすべて消されて、今日解放されて、まさしく今ポン吉に中学生の彼が電話しているのかも。

きっと彼は現在のポン吉の実家周辺を見たら自分が浦島太郎になっていることに気がつくだろう。

うるさかった蛙の大合唱は、今は昔だ。

結局

彼とは10分近く会話したが、話はかみ合わなかった。

ポン吉もその日のうちに実家を発たないといけなかったので、彼に会うこともできなかった。

彼に携帯電話の番号とメールアドレスを教えてもらおうとしたが、相変わらず理解力が弱くて話が通じなかった。

というか、もしかすると彼はまだ携帯電話やメールの存在を知らないのかもしれない。

それ以来、実家に彼から連絡はなかった。

今思えば、電話してきた彼が本当にポン吉の同級生だったかは確証が持てない。

オレオレ詐欺が老夫婦の家に電話をしてきて、適当なことをしゃべってだまそうとしていたのかもしれない。

ただ、浦島太郎にしろオレオレ詐欺にしろ、いずれにしてもポン吉はその電話のおかげで30年以上前の中学時代の頃や友達だった彼のことを思い出せた。

懐かしい思い出を胸に実家をあとにすることができた。

とにかくポン吉に電話くれた人、ありがとう!

次は小学生時代の友だちでお願いします!

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